韓医学
韓医薬
「韓医薬」とは、先祖代々受け継がれてきた伝統医学「韓医学」を基とした韓方医療行為及 びこれに基づき科学的に応用・開発された韓方医療行為並びに韓薬事をいう。
現代の韓医薬の始まり
1951年に韓医師(韓方医師)制度が導入され、1955年に韓医科大学が設立される
2020年現在、11の韓医科大学(6年コース)と1の
韓医学専門大学院が存在
2003年に制定された韓医学育成を支える法律により、
発展の土台が設けられる
韓国における韓医薬の育成政策
「韓医薬育成法」の制定と、韓医薬の育成·発展総合計画の樹立·推進
- 2003年「韓医薬育成法」を制定し、韓医薬発展の土台を作る
- 5年毎に「医薬育成発展総合計画」の樹立を推進
韓医薬の主な育成政策
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1951
韓医師制度の導入
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1993
保健福祉部内に韓方医療担当官室を設置
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1994
韓薬師制度の導入
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1997
韓薬剤の規格化制度の導入
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1998
公衆衛生韓医師の配置 食品医薬品安全処に韓薬の 専任部署を設置
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1999
8の専門診療科目における韓医師の専門医制度を導入
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2003
韓医薬育成法の制定
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2005
韓医公共保健ハブ(HEB)保健所支援事業の導入、 韓薬流通実名制度の施行、 韓国韓医学教育評価院の設立
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2006
第1次韓医薬育成・発展総合計画 (2006~2010)の施行
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2007
規格品使用の義務化
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2008
国立釜山大学校に韓医学専門 大学院を設立
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2011
第2次韓医薬育成·発展総合計画(2011~2015)の施行
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2016
第3次韓医薬育成・発展総合計画 (2016~2020)を推進中
韓医薬に関わる制度、サービス
韓医科大学での教育
11か所の韓医科大学(6年コース)と、1か所の韓医学専門大学院にて韓医師を排出している
韓薬学科は韓国内3つの大学から毎年40名ずつ約120名の学生が卒業
韓医師の免許制度
韓医師免許の付与医療法第5条(医師、歯科医師、韓医師の免許)により、韓医師を希望する者は、国家試験に合格し、 保健福祉部長官が付与する免許を取得しなければならない
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韓医科大学
(6 年)韓医学専門 大学院
(4 年) -
予科課程: 2 年大学
本科課程: 4 年
(合計: 6 年) -
国家試験試験
(年1回)
-
合格一般医
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インターン1年、専門修練医
レジデント3年
(合計: 4 年) -
韓医師試験
専門医
資格試験
(年1回) -
合格専門医
韓医学教育の認証·評価機構、韓国韓医学教育評価院(2005年設立)で 韓医学教育の標準化やレベル向上を図る
韓薬師の免許制度
韓薬師の定義「薬師法」に定義されている規定の第2条第2項では、「薬師」とは、韓薬に関する事項以外の薬事に関する業務(韓薬の製剤に関する事項も含む)を担当する者で、保健福祉部長官が付与する免許を取得した者をいうと規定されている
「韓薬剤の製造及び品質管理基準」制度
韓薬などの品質·流通を適切に管理するための管理制度を施行- 「薬師法」「医薬品等の安全に関する規則」に基づき、2012年「韓薬剤の製造及び品質管理基準 (GMP, Good Manufacture Practice)」に対する法的根拠を設ける
- 2015年「韓薬剤の製造及び品質管理基準」の全面義務化を実施
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安全な韓薬供給に向け、「医療法の施行規則」を改正することで湯煎室施設に関する基準や施設の規格を策定
* 療養病院、韓方病院及び韓医院における湯煎室設置を義務化 - 「院外の湯煎室の設置·利用及び湯煎室の共同利用に関する指針(2009. 5)」を施行、湯煎室管理のための施設の設置基準及び施設の規格強化を推進
「医療機器法」による韓方医療機器の管理制度
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「医療機器法」により、医療機器の製造、輸入、
販売などに関する事項を規定に基づき管理 -
韓方医療機器の輸出については、2018年の輸出額は約
1,470万ドルで、前年比3.1%増加。
最も多く輸出された品目は鍼で約853万ドル分を輸出
韓方治療と健康保険制度
韓方治療の健康保険適用健康診断料(相談、入院料)、検診料(皮膚の抵抗検査、脈拍の検査、経絡、付随機能の検査など)、診療費(鍼、灸、吸角)、湯入り及び一般治療、薬物、処方及び合成(68種の韓方薬物で構成された56種の治療)
韓方医療機関の現況
韓方病院と韓医院 (単位: 所、%)市·道別 | 全体の医療機関 | 韓方医療機関 | ||
---|---|---|---|---|
合計 (%) | 韓方病院 | 韓医院 | ||
2001 | 40,287 | 7,630(18.3) | 131 | 7,449 |
2002 | 44,029 | 8,232(18.7) | 135 | 8,097 |
2003 | 45,771 | 8,885(19.4) | 151 | 8,734 |
2004 | 47,378 | 9,350(19.7) | 154 | 9,196 |
2005 | 49,566 | 9,911(20.0) | 146 | 9,765 |
2006 | 51,286 | 10,436(20.3) | 142 | 10,294 |
2007 | 52,914 | 11,033(20.9) | 138 | 10,895 |
2008 | 54,165 | 11,387(21.0) | 139 | 11,248 |
2009 | 55,799 | 11,856(21.3) | 151 | 11,705 |
2010 | 56,244 | 11,963(21.3) | 159 | 11,804 |
2011 | 58,496 | 12,483(21.3) | 178 | 12,305 |
2012 | 59,519 | 12,639(21.2) | 199 | 12,440 |
2013 | 60,899 | 13,019(21.4) | 203 | 12,816 |
2014 | 63,675 | 13,369(21.0) | 234 | 13,135 |
2015 | 63,419 | 13,865(21.9) | 260 | 13,605 |
2016 | 64,999 | 14,142(21.8) | 282 | 13,860 |
2017 | 66,631 | 14,467(21.7) | 312 | 14,155 |
2018 | 67,847 | 14,636(21.6) | 307 | 14,329 |
- 全体の医療機関は、病院(総合病院、療養病院、一般病院)と医院、特殊病院(結核病院、ハンセン病院、精神病院)、歯科病院・医院(歯科病院・歯科医院)、韓方病院・医院(韓方病院、韓医院)、付属医院(「医療法」第35条により、会社または企業の従業員のために設置された付属医院のことをいう。「2019保健福祉統計年報」再引用)及び助産院を含めた数値
-
該当比率は全ての医療機関中、韓方医療機関が占める比率
資料 : 保健福祉部「2019保健福祉統計年報」
R&Dの現況
韓医薬の研究開発(R&D)分野への
投資拡大
保健福祉部をはじめ、様々な部処で韓医薬分野のR&Dを支援しており、毎年増加している
2018年当時のR&&D総額は、約1,242億ウォン規模
(単位:億ウォン)部処名 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
---|---|---|---|---|---|
合計 | 980.4 | 1103.4 | 1144.3 | 1132.9 | 1242.4 |
保健福祉部 | 143.5 | 213.2 | 243.2 | 239.9 | 248.9 |
科学技術情報通信部 (未来創造科学部) |
656.3 | 682.2 | 678.5 | 677.5 | 789.7 |
教育部 | 38.5 | 38.6 | 45.6 | 49.5 | 76 |
産業通商資源部 | 71.2 | 63.9 | 58.2 | 18 | 7.5 |
海洋水産部 | - | - | - | 1.4 | 2 |
農林畜産食品部 | 6 | 8.7 | 8 | 6.2 | 4.9 |
中小ベンチャー企業部 | 34.1 | 28.5 | 33.6 | 59.4 | 41.9 |
食品医薬品安全処 | 28.8 | 46.4 | 61.7 | 55.5 | 51.6 |
農村振興庁 | 2 | 21.9 | 15.5 | 15.9 | 9.4 |
山林庁 | - | 0.5 | 1.4 | 9.6 | 6 |
複数部処 | - | - | - | - | 4.5 |
* 小数点2桁で四捨五入しているため、詳しい計算の内訳とは一致しない可能性あり
** 韓医薬R&Dを明確に定義することができず、2014年から(新)科学技術標準分類内から韓医科学の政府研究費、6T別の分類の中から韓方応用技術の政府研究費、食品医薬品安全処の事業中の韓医薬事業、韓国韓医学研究院事業、保健福祉部の韓医薬研究開発事業、重点科学技術分類の韓医薬の効能及び機伝の究明、重点科学技術分類の韓医薬の効能及び機伝の究明に該当する課題に限定し算出
国家科学技術知識情報サービス(http://www.ntis.go.kr)
(年度別の詳細資料は policy.kiom.re.kr 資料室>統計>年鑑DB 参照)